CATV業界の年一回の大イベント「ケーブルテレビ2004」が東京ビッグサイトで開催されたようです。本イベントの総合シンポジウムのプログラムで取り上げられたのが、元中央大学教授、現国立情報学研究所大学院(総合研究大学院)の教授である羽鳥光俊氏の「ケーブルテレビに関する調査研究会」の結果に関する報告でした。この報告に基づいて行われたディスカッションはなかなか興味深いものです。
CATV局の施設の高度化に関する問題やデジタル化への対応の問題などが取り上げられ、中でも注目されたのが「地域情報化に向けたCATV局と自治体との連携についての問題」でした。
CATVというものは企業特性として「地域密着型」と言われておりますが、電子政府・電子自治体はインターネットベースで構築が進んでいる事と、昨今の市町村合併により「CATV局の業務区域と自治体の行政区域にギャップが生じ、既設インフラとしての優位性が弱まっている」ため、CATVが地域情報化の担い手として十分な機能を発揮していないと指摘されておりました。
また通信事業者の提供するADSL・FTTHなどとの競合からフルFTTH化への移行を検討しなくてはいけなくなっている状況に触れ、愛知・キャッチネットワークの川瀬隆介氏が「これまでの全設備投資額が約150億円なのに対し、FTTH化を行った場合約100億円の投資が必要との試算が出ており、とても今の状態ではFTTHへの投資は無理」と述べ、通信事業者と比較して相対的に経営体力に乏しいCATV局にとって、FTTH化は相当厳しい道であることを示していました。
CATV各社が今後どういったビジネスプランを展開していくかはわかりませんが、これらの状況を見る限り、私見ですがCATVサービスはかなり難しい状況にあると言わざるおえないと思われます。
インターネットと市町村合併によってより広域化が進んでいる地域状況と、同軸ケーブルから将来的にFTTH化導入による通信事業者との競争不可避から、「地域密着型」という企業特性そのものが無用のもとなるのは確実ではないでしょうか?
FTTH化されるとなればCATV各社はコンテンツベンダーという面が強くなってくるでしょう。現状を見る限りでは、インターネットや電波を中心に活動しているコンテンツベンダーに勝ったソースをCATV各社が顧客に提供することが可能とは思えません。かといって通信事業者と見て十分なサービスを提供しているかと言うと、これもまた満足のいくものではないでしょう。スペック値が全てとは言いませんが、通信速度あたりのコストの高さは正直魅力あるものとはいえません。
要するにコンテンツベンダーとしても通信事業者としても、将来的な競合他社との差別化がしにくいという事です。
どうしても「CATVは終焉を迎えるのか?」という言葉が頭に浮かんでしまいます。
先日、学校のデザイン科の生徒を連れ立って、某印刷会社の現場を見学に行きました。自身の経験も踏まえて、以前から「※百聞は一見にしかず」と思っておりまして、生徒たちの見聞を深める意味も込めて、実現に奔走(奔走してたのは学校サイドですがw)しておりましたが、ようやく現実のものとなりました。
※以下用語は簡単に解説しますが詳しくはググって検索してください
デザイナーやオペレーターに代表される広告業界全般の方々でも、なかなか印刷の現場まで足を踏み入れた事のある方は少ないようです。他のデザイン系の専門学校や大学でもあまりないようで、実際お邪魔した印刷会社でも小学生向けの見学コースしか準備していないとの事で、準備に苦慮されておりました。
私自身も印刷の現場へ訪れたのは3年近く前の事なので、最新の※CTP(コンピューター・トゥ・プレート)も含めた現場の様子を勉強できるとあって、新鮮な気持ちで訪れることができました。実際、「百聞は一見にしかず」とは伊達にある言葉じゃないなと再確認させられました。
まずは簡単な印刷のウンチクがあってから2チームに別れ、我がチームは枚葉機→輪転機→製版・刷版の順路で見学いたしました。
さて※枚葉機に関してですが、さすがに最新型(?)なだけあって、ほとんどのコントロールがコンピューター制御で、昔のような「職人の仕事」的なニオイはほとんど無くなっていました。思わぬ所で「目からウロコ」だったのが刷るインクの順番で、「スミのせ」なんて指定をするので黒が一番最後だと思ってましたが、実際は濃い色から黒→シアン→マゼンタ→イエローと刷っていくという事が判明いたしました。どうも明るい色は最後に持ってこないと輝度が落ちてしまう?とかそんな理由があるらしいです。
次に※輪転機ですが、コチラも完全にコンピューター制御。何より驚いたのが刷り上りの検査も自動化されているという事で、実際に回っている印刷機に意図的に印刷ミスを発生させていただいたのですが、どの枚数の部分で、どの箇所に、どんなミスが発生したかも表示してくれます。イラレなんかの元データと印刷物のスキャン(?)画像を比較検証して、ミスがあるとアラートが鳴る仕組みのようです。実物のコンソール画面を見ると、かなり詳細な部分まで検知するようでした。
製版・刷版の部分ではコレといって目新しいものは無かったwような気がしますが、予想以上にCTPが主流になって来ていたというのが判明いたしました。まあコストも時間も節約になるとなれば、従来のフィルム製版→刷版という流れは徐々に無くなっていくのも時代のニーズという事でいたしかたないのでしょう。逆にCTPを導入していない印刷会社なんかは、今後の市場競争で置いてけぼりを食らう可能性があると思われます。約10年前の写植屋さんが崩壊した「※MACショック」の二の舞というのは避けて欲しいものです。「※第2次MACショック」でしょうか?
最後に質問タイムがあったので、生徒に負けじとかねてより疑問に思っていたこの質問をぶつけてみました。
「今後の印刷において、MACとWINどちらが主流なのか?MACならOSXとイラレ10以降は使えるのか?」
答えは...正直な所今後の事は誰にもわからないという事でした。その時その時のメインストリームに乗っかるのは当然で、ニーズがあれば「できない」というのは仕事上言えないですし、全般的に対応して行くというお話しでした。なるほど、やはりドコでも悩んでいる難しい問題だったんですね。
総じて印刷会社の見学は非常に有意義な時間を過ごせたと思います。印刷会社の営業マンの方とお話しをする事はあっても、なかなか現場まで足を踏み入れる時は少ないものなので、デザイナーに限らず広告代理店の方なんかも是非見学に行かれることをオススメいたします。知らないで仕事してる方が意外に多いこの業界ですから...。
※百聞は一見にしかず
最近はことわざ知らない学生もおりますので念のため。100回話しを聞く事よりも、1回自分の目で見る方が分かりやすく、理解度が深まる。何度繰り返し聞いても、一度実際に見ることに及ばない、ということわざです。
※CTP(コンピューター・トゥ・プレート)
Computer To Plateの略で、フィルムからPS版に焼き付けるという従来の作業から変わって、コンピューターからプレートセッターという製版機器を通して直接刷版を作成(ダイレクト刷版)する仕組みの事。高額なフィルム代がある程度節約する事ができ、網点の太りやかすれが減少し、5%以下の網点も表現が可能です。つまり、より高精度の版の作成が可能という利点もある。ただし制作された製版は大量の枚数や長時間保存には向かないらしいので、増刷の多い物件では利点は少ないかもしれません。
※枚葉機
最も一般的な印刷方法である、オフセット印刷で用いられている紙送り(?)方式で、四六判などの大きな紙を1面づつ印刷していくタイプ。ロットが10万枚以下の場合(と聞きますが、会社によって違うと思います)や、比較的精度を求める時に使われます。
※輪転機
いわゆるオフセット輪転機というタイプのもので、みんな「オフリン、オフリン」と呼んでいます。紙が巨大なロール状になっていて、新聞の折込チラシといったロットが10万枚以上などの大量に印刷するのに向いています。紙の端がギザギザになって、小さな穴が開いている場合は間違いなくオフリンです。
※MACショック
スミマセン、勝手に名前を付けてしまいました。1995年前後は日本(仙台?)の印刷業界でMACが広がりつつあった時期で、タタミ2畳くらいある巨大なワープロみたいな機械で、文字の打ち出しを専門でする「写植屋」がまだいらっしゃいました。1行あたり1500円くらいでしたでしょうか?
しかしMACのおかげで文字の打ち出しするのにお金を払う客がいなくなり、1台ウン百万〜ウン千万もする機械を導入(または5〜10年リース)してしまった写植屋さんは「MACの書体なんて汚くて誰も使わないよ」と信じながら、時流の波に乗り切れずにバタバタと倒産した事件?です。
「ゴナってイイよね〜」と言ってる人はこの時期の人間でしょう。マチガイない!
確かに文字の形なんかも良くてクオリティ高かったけど、そこまでこだわるクライアントも広告代理店も居なかったんです。もうバブルなんてとっくに終わってたんだから、クオリティよりコスト重視でした。
※第2次MACショック
これまた勝手にスミマセン。でも誰しもが予想していると思います。「MAC」と言いながらMACは関係ありませんが、CTPがメインストリームになる事で、製版という作業そのものが無くなる恐れがあります。実はこれはこれで専門に営業している「製版屋」がおりまして、同じように1台ウン百万〜ウン千万もする機械を導入(または5〜10年リース)してしまった製版屋さんが「CTPってなんですか?」と典型的なデジタルディバイドに陥ってしまうという話しです。
しかし伝え聞く所によりますと、さすがに二の鉄は踏まないとばかりに、身軽に転身されてる方が多いようです。多くは印刷会社化を目指しているようなので、印刷会社同士の競争がより混迷を極めるのは必至でしょう。
IT革命云々が叫ばれて随分経ちますが、パソコンは随分一般家庭にも普及してきました。ブロードバンド回線の低価格化が進み、インターネットを中心とした情報化社会への弾みがついた事が要因と言えるでしょう。
パソコンがこれだけ普及してくると、パソコンを「家電」と思っている方々も随分増えてきたように感じます。しかし残念ながらパソコンは「家電」ではないと個人的には考えております。
こういった仕事をしていると、初歩的なものからかなり高度なものまで、パソコンに関する質問を受けることが多々あります。質問の多くは押し並べてパソコンに関する基礎的な知識不足から来るものがほとんどです。パソコンとは専門的な知識と経験の要求される、どちらかと言えばかなり高度な「専門ツール」ではないでしょうか?
マスコミやメーカーがパソコンを「情報家電」と位置づけているのもこういった状況の蔓延に拍車を掛けています。「誰でも使えるカンタンPC」等目にしますが、100%確信を持って、なおかつ声を大にして言いたいです。「そんなもの存在しませんw」
これまたよく求人等で「パソコンの使える方優遇」とか「ワード・エクセルの出来る方募集」というのを見かけますが言わせてください。「セキュリティ設定の出来る方募集にしなさいw」
「誰でも使えるカンタンPC」とは謳っていても、多人数で、なおかつ使用時間が長くなればなるほどパソコンの不具合は必ずやってきます。3ヶ月も使えばなんらかのトラブルが発生するのが当たり前です。高度化するソフトウェアやドライバ同士のコンフリクト(衝突)といったものや、ハードディスクから消去しきれないゴミデータの蓄積などでパソコンの汚染は進行していきます。そうです!パソコンにはメンテナンスが必要なんです!
新品のパソコンが買ってきて3ヶ月〜半年で故障するなんて初心者の誰が思うんでしょうか?テレビやビデオなら3〜5年は持ちます。「家電」なのにナゼ?!となってしまいますが、どちらかと言えば自動車に近いと思っていただいた方がいいでしょう。ガゾリンを入れて、オイルを交換して、点検をして...。こんな風にメンテナンスがパソコンにも必要です。そこで必ず覚えておいた方がいいのは「OSの再インストールと環境の再構築の仕方」です。私が使ってるPCであればだいたい1年ごとにハードディスクをフォーマット(マッサラにって事です)して全てインストールをし直しています。プログラマーの方なんかは3ヶ月毎に行っていると聴いた事もあります。快適にパソコンを使用し、100%の能力を引き出すなら、1年毎くらいのペースで大幅なメンテナンスをした方がイイというのを覚えておきましょう。まあ、どうせ3年したら時代遅れになってしまいますがw。
そしてこれから求人募集をするオーナーの方は、セキュリティ設定のキチンと出来る方を募集しましょう。ウイルスや外部・内部からの不正アクセスなどよくある時代ですので、当然のように「ノートン」やら「ウイルスバスター」を導入しますが、これらのセキュリティソフトは設定しないと使えない!という事です。
インターネットやらワード・エクセルが使える人は掃いて捨てるほどいます。この中から一味違った使える人間を選びましょう。特に複数台のパソコンを使ってネットワークを組んでいるオフィスでは、これらのセキュリティソフトが障害となって不具合が発生する事がよくあります。導入直後はセキュリティが高すぎて、肝心の必要なものまで遮断されてしまいます。プリントが出来ないなんてのはザラですw。
ネットワーク内の他のパソコンやプリンタといったものや、インターネットに接続して外部とのやり取りをするソフト全てに個別の設定をする必要があります。この方法を知らない方は非常に多いです。マニュアルに書いてありますが、まず読むことはほとんどナイでしょう...。
いろいろ並べ立ててきましたが、結論としては「本当の意味でパソコンを使える人はかなり少ない」という事です。個人的にパソコンに関しては、自動車と同じように「免許制」を是非導入していただきたいと思います。そうすればパソコンを使う方自身も、安心して快適なパソコンライフを送れる事と思います。
まあ自動車と一緒で「ホントに免許取ったの?!」という人は無くならないとは思いますがw。