なんだかんだと毎日の仕事に埋没して、とうとう10月はBlogも書かず終いでした…ん〜頑張ろうw
最近、定期購読をする雑誌が少なくなってしまった自分ですが、毎月欠かさず買っているのは毎日コミュニケーションズの「Web Designing」です。雑誌デザインそのものも好きなんですが、もちろん記事も非常にためになる情報が満載で、ついつい買っちゃうんですよね〜w
現時点で最新の2004年11月号の中にオモシロイ記事を見つけたので紹介させていただきたいと思います。グラフィックデザイナーの永原康史氏が書かれている「デザインにできること」という定期コラムで、毎回楽しみにしているのですが、今回は「残すということ」という意味深なタイトル。詳しい内容はやっぱり買って読んでいただきたいのでw ココでは簡単な紹介にさせていただきます。
19世紀初頭に開発された蒸気印刷機が発明された事で、情報の大量生産時代が到来したのですが、これと同時に紙の大量生産も求められるようになりました。旧来のメディアは日本古来の「和紙」とヨーロッパの「亜麻布」でしたが、これでは当然供給が追いつかないので「木材パルプ」を原料とした紙が開発されます。
印刷工程も機械化され、インクのニジミを防ぐために「サイズ剤」という薬品がもちいられるようになります。この「サイズ剤」を紙繊維に定着させるために硫酸アルミニウムを加えるのですが、これが原因で「紙の劣化現象」が発生してしまうようになりました。紙をゆっくりと燃やすように消してしまう事から「スローファイア」と呼ばれたそうです。
20世紀中ごろになると世界中の図書館の本がいっせいに崩れ始め、中にある情報が失われていくようになります。19世紀からの100年が「知の空白期間」になると心配され、脱酸処理や中性紙が開発されます。(現在は7割以上が中性紙だそうです。ホッと一安心w…か?!)
最近ではペーパーメディアのデジタル化も行われていますが、これが「第2のスローファイア」を生み出しているそうです。VHSビデオテープで室温で約10年、CD-Rで約5年の寿命に加え、コンピューターで制作される印刷の元になるデータの再生のために、OSやドライバソフト、ソフトウェアのバージョン、フォントフォーマットなど装置の旧態化があるという事です。OSやプログラムといった社会資産的なものは永久保存するために、逆に紙に保存する計画まであるそうです。
製紙会社が配布する「紙見本」(いろんな種類の紙が1束にまとめらてたものでデザイナーの必須アイテムw)というのがあるのですが、この中でも紙の種類によって「紙焼け」に大きな差あり、もちろん上質紙より中質紙の方が焼けが早く、微塗工紙にも早いものが多い。中でも再生紙は紫外線反応しやすいリグニンを多く含んでおり、2年でうっすら焼けが始まり、3年でハッキリ色が変わるほどだそうです。やはり紙の寿命は短いのではないかと氏は危惧しておられます。
50年前の本は劣化して開くこともできないが、500年前のグーテンベルグの聖書や1000年前の平安絵巻もほぼ当時の姿のまま手にする事ができる。情報の産業革命は大量流布に成功したが、その情報はわずか50年で失われてしまうようになった。江戸時代の引き札のように、ゴミとして捨てられるものでも、今に残るお陰で当時を知る事ができます。
200年後、300年後、それに何を見出すかはその時代の人に委ねるとして、どんなものでもきちんと残るようにつくっておきたいと氏は結んでおられます。
この記事にもあるように印刷の元になる「データの劣化」は実際私も体験しています。日進月歩のコンピュータの世界において、5年前の環境を再現する事すら難しい状況です。
今から3年前に、とあるクライアントのサイトを当時最新のAdobe社の「LiveMotion」というソフト(Flashの亜流というカンジのWebアニメーション制作ソフト)で制作したのですが、今年に入って「修整して欲しい」という依頼がありました。しかし既に開発・販売を中止しており、私もMacromedia社のFlashに移行していて「もはや使わないであろう」と元ソフトを管理していなかったので、「修整不能」という事で残念ながらお断りしたのですが、半年〜1年のサイクルで変革するWebの世界においてはこれらの環境を残すことは更に難しいと実感しました。
毎日のように消費され、ゴミのように捨てられていく「広告」というモノを、「常に新しいものを生み出していく」という視点から日夜作り続けていく因果な商売ですので、上記記事の視点の違いにまさに目からウロコでした…。